債務整理の家族への影響について

生活費が足りず、貸金業者からお金を借り、気がつけば数百万円の借金に膨らんでいた。毎月の収入では返済できる見通しがたたないため、債務整理をしたいと考える会社員も多いでしょう。しかし、家族には知られたくないと考えるのが普通です。ここでは、債務整理の家族への影響について解説しています。

債務整理をしても家族には影響がない場合がほとんど

任意整理、個人再生、自己破産、債務整理にはいくつかの方法があります。どの種類の債務整理でも個人の債務を減額・免除する方法であるため、家族は債務整理に法律的には関係しません。つまり、債務整理者の家族の信用には影響しません。ただ、個人再生や自己破産は裁判所を通じた債務整理であるため、家族に間接的に知られることもあり得ます。債務整理の家族への影響を考えて債務整理を先延ばせば、借金の利息加わるため、債務整理の方法を選択できなくなるかもしれません。

【ケース別】債務整理が家族に影響を及ぼすケース

債務整理が家族へ影響するケースについて先に確認していれば、債務整理もスムーズに進みます。ここでは、債務整理が家族へ直接的・間接的に影響するケースについて考えてみます。

保証人になった家族への影響

債務整理を行う人の家族が借金の保証人になっている場合は、借金の債権者は保証人に支払いを請求します。家族の保証人に支払い能力がない場合は、家族も債務整理をする必要も出てきます。債権者が求める保証人は、連帯保証人であることがほとんどです。連帯保証人であると、債務者と同じ責任で借金を支払う義務があります。このとき、債務の支払い請求を拒むことはできません。

カード作成や借入への影響

債務整理の種類に関わらず、債務整理を行うと、その本人は信用情報機関のブラックリストに一定期間は掲載されてしまいます。このとき、家族のブラックリストへの掲載はありません。債務整理者の家族は、カード作成もローンを組むことも今まで通りできます。しかし、家族が借り入れをするときの保証人に債務整理者はなれません。

家族カードやローン契約への影響

先ほども記載しましたが、債務整理をした本人のみが信用情報機関のブラックリストに掲載されるため、その家族には影響しません。しかし、家族のクレジットカードやローン契約に影響が出ることがあります。家族が申し込みをしたクレジットカードの審査をする金融機関が、その家族の個人情報から債務整理者の同居の家族と判明し、審査に慎重になるからです。特に配偶者の債務整理から期間が経っていない場合にその可能性が高まります。

子どもの奨学金への影響

債務整理を行うと、子どもの奨学金の保証人になることはできません。債務整理者の配偶者が保証人になることは可能です。また、保証期間制度の利用を検討しましょう。

子どもの就職・結婚への影響

債務整理をした本人だけが信用情報機関のブラックリストに登録されるため、その家族には基本的に影響しません。子どもの就職や結婚への影響も直接にはありません。信用情報機関のブラックリストの確認ができるのは、本人とその会員の金融機関だけです。

任意整理は家族にバレにくい？

債務整理をしたとき、周囲に知られることもあります。任意整理は、他の債務整理と異なり、周囲へ債務整理をしていることを知られることが少ないです。ここでは、任意整理が家族や周囲へ知られにくい理由について考えます。

裁判外での債権者との交渉

任意整理は、他の債務整理と異なり、裁判を通した申請は不要です。個人再生や自己破産は、裁判所を通じての債務整理です。任意整理を弁護士などの専門家に任せた場合は、任意整理を行う本人は、ほとんど報告を聞くだけで債務整理も完了します。

裁判外での手続きが容易

任意整理は裁判外での債権者との交渉であるため、裁判所に提出する書類を用意する必要があります。裁判所を通す他の債務整理では、債務整理を認めるために多くのプロセスを経るため、時間がかかります。任意整理は債権者に将来の利息のカットを依頼する手続きであるため、時間は他の債務整理よりはかかりません。短期間で債務整理ができるため、周囲へ知られる可能性も低いです。

自宅や車の処分を避けられる

任意整理は、ローンがある場合は債権者を選択できます。そのローンを任意整理の対象としなければ、自宅や車を手元に残した債務整理も可能です。自宅や車が処分されれば、家族への影響も出ます。任意整理は、ローンを含む借金の対象者を選択し、家や車を残すことも可能です。

官報に掲載されない

任意整理をした場合は、民間の信用情報機関のブラックリストに登録されますが、国の官報には掲載されません。これは、個人再生や自己破産とは異なります。官報に掲載されることはなく、任意整理をした事実を家族が知ることはほとんどありません。

任意整理が家族にバレるケースとは

任意整理は、簡易的な債務整理手続きであるため、基本的には家族や周囲に知られることはありません。しかし、いくつかのケースで家族にバレることもあります。ここでは、任意整理が家族や周囲に知られてしまうケースについて考えてみます。

弁護士などの専門家に依頼せず、自分で行った場合

任意整理は本人でも手続き可能です。しかし、金融業者との慣れない交渉だけでなく、書類の準備まで整えることが必要です。金融業者から自宅に書類が届き、交渉の電話もかかるため、家族に知られる可能性は高くなります。

専門家との連絡が周囲へ漏れるとき

家族に知られることを避けるため、弁護士などの専門家に依頼したとしても注意を怠ると、家族に知られることがあります。弁護士事務所からの郵便が届き、電話での相談をしていると家族に不審に思われます。弁護士も機密保持義務がありますが、小さなことから漏れてしまうことがあります。弁護士とからの電話は携帯に、文書は郵便書留で直接本人宛にすることが大切です。

任意整理後に債務の返済を怠ったとき

任意整理後に債務の返済を怠ると、一括返済を金融業者から求められます。金融業者は返済を怠ると、一括返済を自宅に通知します。この一括返済をするようになれば、家族にも知られてしまいます。

債務整理後、ローン申請をしたとき

任意整理も他の債務整理と同じでブラックリストに一定期間掲載されます。その期間中にローン申請をすると、審査に通ることはありません。このローンには、家や車だけでなく、携帯電話の機種の分割払いも含まれるため注意しましょう。

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