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こんなケースはどうなる?

法律

「連帯保証人はどうなる?」、「保険や退職金は資産とみなされる?」など、
個人再生に関してよくある質問に対し、回答をまとめています。

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アルバイトでも個人再生できる?

可能です。ちなみにアルバイトの申し立てに際しては、小規模個人再生手続きを利用します。ただし「借金総額が5,000万円以下であるか」「債権者が個人であるか」「3年間程度継続して、収入を得られる見込みはあるか」判断されることになります。

これらの条件に該当しない、あるいは完済が難しいと判断された場合、個人再生の申し立ては棄却されてしまいます。

連帯保証人はどうなる?

個人再生手続を行うと、申立人(お金を借りた本人)の借金は減額されます。
しかし連帯保証人の支払い義務はなくならないので、残額を請求されることになります。

【借金が400万円の場合】

★個人再生により申立て人の支払い額は100万円に減額される。
★連帯保証人は残300万円を支払わなければならない。

原則的に連帯保証人には一括支払いの義務が生じますが、分割返済が認められるケースがほとんどとなっています。

個人再生で慰謝料や養育費も減らせる?

慰謝料の減額が可能かどうかは、裁判所の判断に委ねられます。

養育費に関しては、申立人よりも子供の権利を保護することが優先されますので、
個人再生に限らず債務整理で免除/減額されることはありません。

住宅ローンの残っている家は残せる?

残せます。これは個人再生の特徴のひとつです。ただし別途申立ての手続きが必要で、ローン額の減額は認められません。

さらに個人再生手続き前に支払いが延滞していた場合は、手続き終了前までに清算しなくてはなりません。

保険や退職金は資産とみなされる?

みなされます。契約中の保険の解約返戻金や退職金見込み額の8分の1は、個人の資産とみなされるのです。個人再生の手続きに際しては、生命保険の解約義務は一切生じません。解約返戻金をそのまま債権者へ配当することはなく、これを「清算価値」として裁判所に報告しなければなりません。

また退職金は即受け取ることができない、あくまで見込みの個人財産のため、個人再生認可前の時点の受け取り見込み額の8分の1を個人の資産とみなします。ただし既に退職金を受け取っている場合にはその全額、退職予定であれば退職金見込み額の4分の1が計上すべき資産となり、清算価値としてその金額を裁判所に報告する必要があります。

ローンの残っている車は残せる?

ディーラーローンと呼ばれる信販系のローンの返済が残っている場合、原則として手元には残せず、ローン会社に引き上げられてしまいます。
ただし車検の所有名義が本人となっている場合、手元に残せる可能性もあります。また残っているのが銀行あるいは労金などのマイカーローンの場合、所有権留保ではない契約も多く、車を引き上げられずに済むケースもあります。

残りの車のローンも他の債務と合算し、個人再生の対象となり、弁済額の圧縮が可能です。ただし手元に残した車は個人資産となり、最低弁済額を車の評価額が上回った場合、そちらが再生後の返済総額となり、返済が難しくなる可能性があります。

ギャンブルの借金でも個人再生できる?

できます。個人再生の場合、借金の原因について取り沙汰されることはありません。

他の債務整理法の場合、ギャンブルや浪費などの理由による借金が「免責の対象外」となってしまうケースがあります。

支払いが遅れたらどうなる?

原則的に支払いの遅れは、1回でも認められません。
最悪の場合、債権者から再生計画の取り消し求められる事態に発展します。

ただしその手続きは煩雑ですし、債務者が本当に支払い不能の場合、個人再生から自己破産に移行するケースがほとんど。
このため、債権者も一度程度の遅れなら大ごとにはしないでしょう。

とは言え、一度再生計画が頓挫すると、借金は元の額に戻ってしまうなどのペナルティも用意されています。

繰り上げ返済は可能?

可能ですが、すべての債権者に平等に返済することが原則。
「債権者を減らしたいから、残額が少ないA社分を先にまとめて支払う」などは、認められません。

また個人再生手続き後すぐに繰り上げ返済などを申し出ると、財産隠しなどを疑われます。

申し立て時に必要な金額は?

概算で総額25,000円前後で、その内訳は、収入印紙代が10,000円程度、官報掲載費用が約12,000円、切手代が2,000~4,000円です。

ただし管轄となる裁判所ごとに費用関係の運用状況に違いがみられ、全てが統一された金額ではありません。

ちなみに切手に関しては、裁判所が書面でのやりとりを円滑に進めるべく、申し立て時に一定金額を収めるシステムとなっています。

複数回のやりとりが想定されるため、多目の事前納付をお願されるケースが大半です。

また個人再生手続き開始決定が出ると、その事実が官報に掲載され、その費用は申し立てた本人の自己負担が義務付けられています。

2回目の債務整理としての申し立ては可能?

以前債務整理を経験した方が、2度目に個人再生の申し立てを行うことは可能です。

実際に1度債務整理を終えたのち、ふたたび借金を抱えてしまう人は少なくありません。

ただし任意整理や過払い金請求とは違い、個人再生や自己破産申請に関しては、一定の条件が付くため、必ずしも申請が受理されるとは限りません。

ちなみに個人再生と自己破産の申し立てに関しては、前回の手続きから7年間の年数制限が設定されています。

一旦棄却され、直ぐに弁護士を変えて再度申し立ててみたとしても、結果は同じです。

ただし7年間経過していなくとも、本人が深く反省し、同じ過ちを繰り返さないと裁判所が判断した結果、2度目の申請が認められた前例もありますが、極めてまれなケースです。

税金を滞納していたら?

税金や国民年金の滞納者は、個人再生などの債務整理の対象者にはなれません。

管轄の役所に個人再生の申し立てを検討中である旨を伝え、未納分を月々支払いが可能な金額での分納を認めてもらえるよう、まずは相談してください

支払を放置し続けた場合、給与や銀行口座を差し押さえられてしまう可能性があります。

賃貸の家賃を滞納していたら?

家賃滞納者の個人再生の申し立ては可能です。

ただし滞納している家賃を債務整理した場合、保証人に迷惑をかけてしまいます。

賃貸契約に際しては、賃借人の債務の連帯保証人を要求されるケースが多く、個人再生が認められれば、滞納分は保証人に支払い義務が移行します。

個人再生を申し立てるに際しては、保証人に対し、家賃滞納の事実を含めたその旨を、必ず事前に相談しておきましょう。

また個人再生をすることで、現在の賃貸契約自体を破棄される、あるいは他の新たな賃貸契約が締結できなくなることはありません。

いわゆるブラックリストに載ってしまいますが、これはあくまで借入に関する問題であり、部屋の賃貸契約とは関係ありません。

むしろ家賃滞納すなわち契約不履行を理由に、契約内容に沿って退居命令が下されるリスクが見過せません。

勤務先に知られる可能性は?

基本的に個人再生の事実が勤務先に知られることも、知らせる必要もありませんが、100パーセント絶対にバレないとは言い切れません。

たとえば勤務先から給料の前借りなどの借入がある場合は要注意です。

個人再生の申し立てに際しては、その時点で存在するすべての借入を対象とせねばならず、自身の勤務先も債権者としての申告が必要です。

手続きが開始されれば裁判所から勤務先に、その旨が通知されるため、結果個人再生申し立ての事実が隠し切れません。

また勤務先が金融機関の場合も、注意が必要です。

個人再生を弁護士に依頼した場合、信用情報機関にこの事実が事故情報として登録されます。

その信用情報機関に加盟している金融機関は、こうした情報を自由に照会できるため、勤務先がその事実を目にしてしまうケースが想定されます

もちろん常時勤務先が自社の労働者の信用情報に目を光らせているわけではなく、その可能性は高いとは言えません。

高額な私物はどうなる?

個人再生には財産の没収はなく、ローンが完済している、たとえば宝石貴金属、ブランド品、楽器やオーディオ、ゴルフクラブなどの私物に関しては、裁判所に没収されることはありません。

ただし手元に残すことが可能な財産の価値は、弁済額より低くなければならず、注意が必要です。

たとえば最低弁済額が200万円に対し、手元に残しておきたい財産である私物の評価額が300万円の場合、高い方の価値300万円が返済総額となります。

高価な私物を手元に残したい場合、個人再生後の返済条件が厳しくなる場合があります。

再生後高額宝くじが当たっても没収される?

当せん金は自由に使うことができ、裁判所や債権者に没収されることはありません。

申し立てが受理され、個人再生開始後に手に入れたお金に関しては、宝くじ、仕事への従事に対する対価など、その内容にかかわらず、全て債務者のものです。

仮に億単位の高額当選であったとしても、債務整理後に築いた財産は、あくまで個人の財産ですので、その使いみちも自由です。

また転職などで、個人再生前と比較して各段に定収入がアップした場合も、差額を差し押さえられ、返済に充当しなければならないなどの義務は生じません。

日常どんな不便な場面が生じる?

キャッシュレス化が進む日常におけるさまざまな決済の場面で、制限や不便が生じる可能性があります。

個人再生を含む債務整理の申し立てをした場合、完了から一定期間は民間の信用情報機関に、事故情報としてその事実が登録されます。

このためクレジットカードが利用できない、新たなローンすなわち分割払いが選択できず、大半の場面で現金決済せざるを得ません。

たとえば携帯(スマホ)の機種変更に際し、月々の使用料に加える形での分割払いができず、現金一括で決済しなければならず、まとまった現金の準備が必要です。

クレジットカード決済限定のオンラインショッピング、コンサートチケットの予約など、インターネット上での商品購入やサービスの利用にも、大きな制限が生じます。

出張先の宿泊施設や接待時の飲食店など、ビジネスシーンにおける会計に際し、クレジットカードでのスムーズな対応ができず、第三者の目が気になる場面も想定されます。

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監修者アーク法律事務所 
鬼頭洋行 弁護士

アーク法律事務所鬼頭弁護士1968年、地元名古屋生まれ。愛知県弁護士会所属。企業から個人の法律相談まで、①親切・丁寧、②迅速、③適切・適正をモットーに幅広く対応。任意整理、個人再生、過払い金返還請求など債務整理に関して幅広く対応しており、難しいケースでも最適な方法で解決に導いてくれると評判です。面談・相談は、何度でも無料。どんな借金の悩みも気軽に相談できます。

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監修: 鬼頭 洋行弁護士
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